ミスリンがお遣いものを通して感じた幸せ、喜び、感動などを、月に一度、自身のエピソードを交えて紹介する連載「ミスリンのお遣いもの」。お遣いものにも宿るミスリンの"生きる哲学"をお伝えします。
【第10回】卓越した安全栄養食!「大江ノ郷自然牧場」の天美卵
by Noriko "DAISY LIN" Maeda(ミスリン)
幼い頃は卵があまり好きではありませんでした。普段着感覚の食材だからか、いまでは大好物のだし巻き卵がお弁当に入っていても、当時はまったく気分が盛り上がりませんでした。
確かに卵は冷蔵庫に必ず入っている、もっとも身近な、おうちごはんの代表的な食材。ですが同時に、卵はスペシャルな存在でもあります。生命の源の象徴であり、再生や繁栄、長寿など、縁起の良さを物語るモチーフとしても知られ、そして、その実態は最強の完全栄養食。大人になって卵の良さを知るにつれ、すっかりその存在を見直しました。
毎日のように口にするものなら、本当に体に良い、正しく健康的な卵を選びたい。そのように感じて、「大江ノ郷(おおえのさと)自然牧場」の平飼い卵と出会って約25年。お遣いものにも重宝している特別な卵をご紹介します。
初めて口にしたとき、その新鮮さとコクのある美味しさに感激し、それ以来、2週間毎に2パック届く定期便をオーダーしています。それは、鳥取県八頭町(やずちょう)にある「大江ノ郷自然牧場」の天美卵(てんみらん)という卵です。
なにより素晴らしいのは、朝採れの卵をその日のうちに直送してくれるということ。早朝、まだ温かさの残る産みたての卵をひとつひとつ丁寧に確認し、上質なものだけを箱に手詰めをして出荷してくださるのです。届いた初日の産みたて卵を使った卵かけご飯の美味しさといったら…。どなたにも味わっていただきたいほど、もう格別です。
新鮮な卵の殻はしっかりと硬めで、お皿に割り出すと、黄身は大きくぷっくりと高さがあり、見るからに美味しそうな気配を醸し出しています。それだけではなく、白身の量もたっぷり多くて弾力のある質感。卵黄も卵白も、指でつまめるほど水っぽさがなく、栄養がぎゅっと詰まっているように感じられます。口に運ぶと、生卵でも火を通しても、ビジュアルに違わず濃厚なコクのある味わいで、健やかな卵の活力をいただいているという実感が得られる満足度! 美味しい天然塩の味付けだけで十分な一品になります。
様々な調理法ができる卵のなかで、私がとても好きなのはエッグエスプレッソ。ニューヨークでいただいてすっかりお気に入りになったのですが、作り方はいたってシンプル。卵を溶いてデミタスカップに入れ、おいしい天然塩をひとつまみ。ふわりとラップをして30秒ほど電子レンジにかけるだけ。とろりとゆるく固まった卵をクロワッサンと一緒にいただくと、それだけでしみじみと美味しい朝食の出来上がりです。もし蒸し器があれば、蒸していただくほうがさらに健康的でおすすめです。
それからゆで卵も大好き。水から強火で茹でて、菜箸でぐるぐる回し、沸騰し始めたら弱火にして7分。最高の半熟玉子が完成します。また、納豆と生卵を混ぜるときは、卵白が納豆の栄養素の吸収を妨げるので、卵黄のみを混ぜるのが私流。卵白は低脂肪の良質なタンパク質なので、別の器に入れて蒸し器で蒸し、天然塩だけの味付けで余すことなくいただきます。
平地を自由に走り回るニワトリ本来の姿で、丁寧に心を込めて育てられた〝コッコ〟が産む天美卵があれば、家の食卓はぐっと豊かになるはずです。そして、縁起の良いイメージを持つ卵はお遣いものにもぴったり。アレルギーがない方であれば、この美味しく健康的な天美卵を召し上がって、日々を健やかにお過ごしいただきたい。そんな気持ちを込めてお贈りすれば、年齢問わず、きっと多くの方から喜ばれるに違いありません。
【今回のお遣いもの】
「大江ノ郷自然牧場」の天美卵
安心安全で美味しい平飼い卵をつくるため、1994年鳥取県八頭町の自然豊かな山間に誕生した「大江ノ郷自然牧場」。天美卵は、コク、旨味、濃厚さの数値が高く、とくにコクは一般の卵の1.5倍。その一方、後味のコクは穏やかなので、濃厚なのにすっきりとして食べ飽きしにくい味わい。天然素材の自家配合による健康的な餌にもこだわっているため、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、αリノレン酸などが豊富で栄養たっぷり。華やかな水引パックは見た目にも高級感があって美しく、贈答用に大人気。黄金色のもみがらがぎっしり詰まった15個入りからの天美卵もみがら詰めも評判が高い。
大江ノ郷自然牧場
鳥取県八頭郡八頭町橋本877
電話 0120-505-606
営業時間 10時〜18時 無休
オンラインショップ
https://www.oenosato.com/f/online-store
写真/朝採れ平飼い卵 天美卵 水引きパック[10個入り]税込1,296円、天美卵 もみがら詰め[15個入り] 税込2,052円
取材・文/武田麻衣子
撮影/Kevin Chan
構成/恩田裕子
【次回】12月下旬配信予定